好きな人に恋愛相談されました。
「お兄ちゃんとはお母さんが別の人で、お父さんが一緒なの。今は離婚しちゃったからお兄ちゃんと名字は違うんだけど、お父さんとお母さん、近いうちに復縁するみたいなんだ」
……つまり、腹違いではあるけど血はちゃんと繋がった兄妹ってことか?
高梨の意外と複雑な家庭環境に言葉が出ない。
でもそういう事情があって話してただけなら、俺たちの間にはなんの問題もない。
素直に喜べる。
「高梨、チョコちょうだい」
「……いいの?」
「当たり前だろ。むしろ、欲しいし」
遠慮するように言うものだから、俺は高梨の腕に抱きしめられているチョコレートを奪うように手に取る。
「朝からマジでへこんだ。好きな女に“好きな人にチョコレートあげたいからアドバイスくれ”とか言われて。他の男のものになるんだって考えるだけでイライラしてた。知らなかっただろ」
「知らない……。…………ねぇ、堺。好きな女……って、あたし……?」
高梨は言い当てる。話が早くて助かる。