好きな人に恋愛相談されました。
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念願叶ったバレンタインデーから2週間。
朝学校に着くと、前の席の高梨が振り向き、笑顔で挨拶をしてきた。
今日も俺の彼女は全力でかわいい。
「ねえねえ、堺~」
「ん、なに」
「もうすぐね、好きな人の誕生日なの。どこにデートに誘ったら喜んでもらえるかなぁ。ひとりよがりになるのやだし、一緒に楽しみたいから、アドバイスくれない?」
キラキラした大きな瞳が期待を持って俺を映す。
一緒に楽しみたいと考えてくれる高梨の気持ちが嬉しい。
通学バッグから中身を取り出しながら、高梨に笑いかける。
「んーじゃあ、ふたりで一緒に相談して考えよ。どっか行きたいとこある?」
「それだと、結局あたしが行きたいとこになっちゃわない?」
「いいよ。高梨が楽しかったら俺も楽しいし」
「うん、ありがとう。んふふ、堺、大好き!」
「……いや、それ嬉しいけど、ここ教室だし場所考えて……」
俺たちの会話を聞いていたらしいクラスメートが微笑ましそうに……いや、ニヤニヤしながら俺たちを見ている。