甘い脅迫生活
隠し撮り写真を提示して脅迫するような奴、絶対信用できない。うちの両親は騙せても、私は騙せないんだから!
きっと睨みつけると、社長はなぜか余裕の表情。ていうか今、舌打ちしたよね?
さっきの俺様ぶりといい、どうやらこの人には裏の顔がありそうだ。こういう奴がDV夫とかに豹変したりして。すでに今の時点でパワハラのオンパレードだし。
元社長の娘とはいえ、うちの家と社長の家じゃ格差は歴然。モラハラも加わりそうだ。
「はぁ、」
笑顔のまま、ため息を吐いた社長は、ゆっくりと私から身体を離した。それだけでやっと大きく息が吸えた気がする。こんな近くに男性の顔があることはあまりないという寂しい人生だっただけに、私には男性に対する免疫というものが全くない。
「さすが、気が強い。」
それなのに、私とは違って余裕のある社長は、私を見下ろしたまま顎に手を添えて何やら考えている様子。
気が強いってなによ。失礼な。私は気が強くなくちゃ、やっていけなかっただけだ。
おもむろに、社長がポケットからスマホを取り出す。それをすぐに耳に当てた。
「山田。手伝え。」
卑怯だ。援軍を呼びやがった。
しかも今出ていったばかりの山田さん。