暴走族の姫 Ⅰ
しかし、気まずい…。







暫く幹部室にあった誰のものか分からない小説を読んでいると、蘭が急に台所に行き包丁で自分の腕を傷つけようとしたのだ。







悠「ッ!? なにするの!?やめてっ!」







すると、蘭はハッとしたように私を突き飛ばした。






蘭「近づくな…。お前に俺何がわかるんだよッッ!黙ってろッ!」






蘭の顔は打撲が痛々しくて…。





でも、その奥の顔はとても苦しそうで…。






助けたい…。






「分かる。分かってあげられる。」






私は未だに自分を傷つけようとする蘭を止めるべく、動いた。






悠「聞いてッ!」

蘭「黙れッッッッ!」





蘭は包丁を持ったまま、私が止めるのを振り払ってくる。





そのとき、私の腹に何か違和感が芽生えた。





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