暴走族の姫 Ⅰ
蘭「え。ッッ!!!!」






今まで蘭の手に握られていた筈の包丁は私の腹に刺さっていた。






蘭「お、まえ、なに、これ?」






私は力が抜けて蘭に寄りかかるような形で倒れ込んだ。






悠「ね、きいて、らん。

私もね。

施設の人に、はぁ、虐待されてたの。

だから、はぁ、身体も、はぁ、アザだらけ。

私は汚いの。はぁ、はぁ、

でも蘭は綺麗よ。

私には はぁ、分かるから、はぁ、大丈夫。

自分を傷つけることないわ。はぁはぁ」






そのまま、私は底無し沼に引きずられるように意識を奪われた。





< 51 / 104 >

この作品をシェア

pagetop