暴走族の姫 Ⅰ
蘭side


「おい!?しっかりしろッッ!クソッ…。俺は。っっ…!」







泣くな。







まずは、彼女を助けるべく動かなければ…。








なぁ、死ぬなよ。








俺はお前に謝って、ありがとうって言うんだ。








優喜side





俺達が会合が終わって、倉庫に帰ると、幹部室の中は、鉄臭かった。







その鉄臭の正体が、血溜りであることは見てとれた。







ピリリリリリリピリリリリリリ







蘭→優喜「ゆ、き。俺、ごめん。グスッどう、したらいいか、わか、なくて。」








俺に電話を掛けてきたのは、紛れもない蘭だった。








蘭は酷く落ち込んでいて、最初は言っていることがめちゃくちゃで…。








でも、蘭が普段泣くことがないので、非常事態だということはわかった。







そして、何となくわかった。








悠が、危ない。








蘭→優喜「分かった。行くから待ってろ。」








なんの事情があったにせよ、悠を傷付けたなら蘭、俺はお前を許さねぇ。








優喜「行くぞ!哀堂総合病院に。」








麗と沙蘭は、俺の言葉に強く頷いた。





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