暴走族の姫 Ⅰ
悠side







どれぐらいたったんだろう。









地下の薄暗い中にいるから時間の感覚がまるでない。









冷たい床に、暖かい血。









自分がどんどん壊れていくのがわかる。









ガチャ








闇医者「生きてはりまっか?お嬢!」









この人の大阪弁と京都弁が混じったようなしゃべり方は酔う。








私は声が出ない。










いつからだったか。









男の人に首を絞められてからだったような気がする。










ここに来てから記憶が飛び飛びにしか思い出せない。










気絶するまでヤられて、起きたらまたヤられてるの繰り返しだからだと思う。










大阪弁と京都弁が混じったようなしゃべり方をするそのろくでなしの医者は









静(セイ)と名乗った。











静「お嬢。長生き出来ませんね。」










何時ものおちゃらけた様子が消えて、静はそう静かに呟いた。










静「今、確認だけしようと思いましてね。


聴診器を当てたんですわ。


異常な雑音ですよ。心臓の音がね。」











なんとなく、分かっていた。











私は長くは生きれない。










ただ、一目でいい。











私の少ししか居なかったあの場所に。










あの暖かい空間にもう一度。











優喜…







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