暴走族の姫 Ⅰ
俺たちで決めたこの〔亜嵐悠奪還作戦〕を倉庫でスクリーンを張り説明会を開いた。











“俺たちは仲間に恵まれている”












そう思わずにいられないほどに、彼らは忠実に作戦に力を貸してくれようとしている。











優喜「お前ら力を貸してくれて本当にありがとう。


必ず、ここに戻ってこい…。


一人でも死んだら許さねぇからな!!!!!!


いいな。分かったか!!!!!!


では、諸君らの検討を祈る。


作戦は二日後!各自準備をしておけ。


以上をもって解散!!!」











だから、俺たちもその仲間達に誇られるようなリーダーになりたいと努力をする。













そして、その仲間達もまた俺たちに相応しい人間になろうと努力をする。













努力は人間を輝かせる。













さぁ、行こう。












悠side









さっきから、施設内が騒がしいように思う。











耳も今ではあまり聞こえない。











目も。臭いさえも。微かにしか感じることのできない身体になっていた。











施設内の警備員たちが部屋の前を慌ただしく走って行く。










「…だ…って…ファ…で……たい…いそげっ!」












途切れ途切れに聞こえるその警備員の声は焦っているようだった。












何が起こっているのだろう。












もしくは、これから何が起こるのだろう。












そんなことを考えながら私は緩やかに意識を失っていった。










沙羅side








沙羅「では怪我人がでた場合の対処お願いします。」











父親にそうお願いをして、俺は自らを通常の意識から戦闘の意識に変えた。













そして、今から共に作戦を遂行する仲間達のもとへと足を進めた。











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