跪いて愛を誓え


「お前! 来るなって言っただろ! 何で来たんだよ! しかもそんな恰好で!!」


 やっぱり青葉、凄く怒ってる。彼の剣幕に怯んでしまいそうになるけど、ぐっとそれを堪える。


「青葉には来るなって言われたけど、だから何?!」


 思わず千紗の真似をしてしまった。背中を押してくれた彼女の、勢いも借りて。


「ホストごっこはもう、終わりなんでしょ?! だったら青葉はもう私のご主人様じゃ無い! だから青葉の言う事なんて聞かない! 私はこの店を守りに来たの!!」


 一息に、そう言い切った。青葉は怖い顔で私を睨んでいたけど、やがて大きなため息。


「……勝手にしろ」


 冷たい声で呟くように言うと、お店の中へ入ってしまった。


 私……間違ってるのかな…………


 だけど、引く事なんて出来ない。青葉の為にも、自分の為にも、このお店を守りたいんだ。


 私も青葉の後を追う様に、もう一度ティアーモの中へと入って行った。
















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