バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
「わざわざ名取さんがお出迎えしてくれるなんて思わなかったわ。私、あなたに嫌われているから」

『あなたに嫌われている』なんて不穏なセリフを、臆した様子もなく当人にズバッと言い切るミス・ゴージャスにビックリしてしまう。

 内心引いている私の目の前で、副部長が爽やかな笑顔で難なく対応した。

「なにを仰いますか。私が大宮様を嫌う理由などありませんよ」

「だってぇ、あんなにあっさり私のこと振ってくれたじゃないのぉ!」

 振った? ということは、副社長の方から縁談を断ったんだ。なんとなく無理もない結果な気もするけど。

 コロコロと笑う口元に当てたミス・ゴージャスの左手の薬指には、かなり大きなダイヤモンドの指輪が輝いている。

「この度は御婚約をされたそうですね。誠におめでとうございます」

 副社長が完璧なスマイルを崩さず、お祝いの言葉を贈った。
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