バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
その言葉を言っただけで、力尽きたようにまた沈黙してしまう。副社長はそんな彼女の様子を見て、男性スタッフに退室するように命じた。
できるだけ人数が少ない方が、彼女の気持ちも落ち着くと考えたんだろう。
スタッフが一礼して部屋から出て行って、またしばらく沈黙の時間が流れる。
私と副社長が無言で見守る中、彼女は再び重い口を開けた。
「愛していました。信じていました。幸せでした。……でもそれは私だけだった。私が信じていたその同じ瞬間に、彼は私以外の人を愛して、幸せだったんです」
立ち昇る紅茶の湯気が、少しずつ薄らいでいく。消えていく白い蒸気の中に自分の過去を見ているような儚げな目で、彼女は訥々と言葉を続けた。
「別れ話を切り出されたときは雷に打たれたような衝撃でした。その衝撃が憎しみに変わるのに、たいして時間はかからなかった。そして憎しみの矛先は私を裏切った彼よりも、私から彼を奪った女性に向きました」
それから彼女は、思いつくすべての嫌がらせを花嫁様にしたらしい。
醜聞を恐れた花嫁花婿ご両家が警察沙汰にしなかったのも、彼女の歯止めが利かなかった一因だったようだ。
当人同士で何度か話し合いもしたけれど、彼の『どうか責めるなら俺だけを責めてくれ』という言葉が、余計に彼女を激昂させた。
そんなに、あの人を愛しているのか。私よりも……と。
できるだけ人数が少ない方が、彼女の気持ちも落ち着くと考えたんだろう。
スタッフが一礼して部屋から出て行って、またしばらく沈黙の時間が流れる。
私と副社長が無言で見守る中、彼女は再び重い口を開けた。
「愛していました。信じていました。幸せでした。……でもそれは私だけだった。私が信じていたその同じ瞬間に、彼は私以外の人を愛して、幸せだったんです」
立ち昇る紅茶の湯気が、少しずつ薄らいでいく。消えていく白い蒸気の中に自分の過去を見ているような儚げな目で、彼女は訥々と言葉を続けた。
「別れ話を切り出されたときは雷に打たれたような衝撃でした。その衝撃が憎しみに変わるのに、たいして時間はかからなかった。そして憎しみの矛先は私を裏切った彼よりも、私から彼を奪った女性に向きました」
それから彼女は、思いつくすべての嫌がらせを花嫁様にしたらしい。
醜聞を恐れた花嫁花婿ご両家が警察沙汰にしなかったのも、彼女の歯止めが利かなかった一因だったようだ。
当人同士で何度か話し合いもしたけれど、彼の『どうか責めるなら俺だけを責めてくれ』という言葉が、余計に彼女を激昂させた。
そんなに、あの人を愛しているのか。私よりも……と。