私たちは大人になった
「良かった……」
呟いた優がそのまま倒れこんできて私の肩に顔を埋める。
それがたまらなく愛しく思えて、ぎゅっと抱き締めた。
「本当は食事に行った時にでも気持ちと一緒に言うつもりだったのに、まさか指輪待ってる間に先を越されるとはな」
「そんなこと、ぐじぐじ考えてたの?」
「そりゃ考えるだろ。プロポーズなんて一生に一度なんだから」
改めてそう言われると顔が熱くなった。
良かった、顔が見えなくて。
と思っていたら、あっさり起き上がってきて近い距離で見つめ合う。
「真っ赤だな」
そう言ってからかうから、ふいっと顔を逸らしたけれど大きな手のひらに捕まってゆっくりと唇が合わさった。
唇が離れたあとの、何とも言えない名残惜しさは口に出さずとも伝わるようで、そっと体を起こして手を引かれ、見慣れた寝室へと誘われた。
ベッドに沈んだ私たちは、ふたりの体温を分かち合うようにお互いをさらけ出していく。
いつもと同じようで、違う。
気持ちが通うというのは、こんなにも暖かくて幸せで自分でさえ自分をもて余してしまう。
途切れてしまいそうな意識のなかで、必死に抱きつきキスの合間に、愛してる、とうわ言のように呟いた。