颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
「それに駐車場は地下だから出すのも面倒だし」
あ……そうなの。確かにそうだろうけど。そんな言い方しなくてもいいのに、イヤミな男だ。
「カフェに戻るよ。オレ、注文しちゃったから」
「はい。お手数かけてすみません」
「いくよ、ほら。キミの望むとおり、ちゃんとおごるから。御曹司らしく?」
「いえ。自分の分はちゃんと払いますから」
「ホント可愛くないね。こういうときは素直にいただきますって言えばいいのに。はあ」
ため息をつき、桐生颯悟は来た道を戻る。そしてはむはむカフェに入っていく。コンパスが長いのか、歩くスピードは速い。私は駆け足で彼の後を追った。
はむはむカフェはカウンター席を含め、20席程度の小さなカフェだった。漆喰のドア、煉瓦の壁。木のテーブル、ファブリックの椅子。ダークブラウンとベージュで統一されたナチュラルな空間。スタッフも茶を基調としたシャツに黒いエプロンをしていた。コンクリートジャングル東京の中ではオアシス的な存在だ。
窓側の席に桐生颯悟が座る。恐る恐る向かいに座った。
「キミも同じものでいいよね?」
「お任せします」
彼はカウンター内にいる女性に、この子にも同じものを、と声をかける。もちろん私には見せないにこにこ笑顔で。
あ……そうなの。確かにそうだろうけど。そんな言い方しなくてもいいのに、イヤミな男だ。
「カフェに戻るよ。オレ、注文しちゃったから」
「はい。お手数かけてすみません」
「いくよ、ほら。キミの望むとおり、ちゃんとおごるから。御曹司らしく?」
「いえ。自分の分はちゃんと払いますから」
「ホント可愛くないね。こういうときは素直にいただきますって言えばいいのに。はあ」
ため息をつき、桐生颯悟は来た道を戻る。そしてはむはむカフェに入っていく。コンパスが長いのか、歩くスピードは速い。私は駆け足で彼の後を追った。
はむはむカフェはカウンター席を含め、20席程度の小さなカフェだった。漆喰のドア、煉瓦の壁。木のテーブル、ファブリックの椅子。ダークブラウンとベージュで統一されたナチュラルな空間。スタッフも茶を基調としたシャツに黒いエプロンをしていた。コンクリートジャングル東京の中ではオアシス的な存在だ。
窓側の席に桐生颯悟が座る。恐る恐る向かいに座った。
「キミも同じものでいいよね?」
「お任せします」
彼はカウンター内にいる女性に、この子にも同じものを、と声をかける。もちろん私には見せないにこにこ笑顔で。