颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
まあ、えっと、果たして2時間後。
「部屋の中がすっごく油臭いんだけど?」
キッチンカウンターを挟んだ向こう側で腕組みをする桐生颯悟の顔は引きつっていて。
「それになに、これ。食べものなの?」
白いシンプルなプレートの上にはポロポロした茶色い物体が砂山のように積み上げられて。
「えっとですね、これはじゃがいもを蒸してつぶして、火は通ってるので胃袋に入れても問題はないと申しますか」
「オレ、コロッケを頼んだんだけど?」
「まあ、コロッケの親戚かな、って」
「はああ。ホントにキミって」
「でもキャベツの千切りはちゃんとできましたし」
「スライサー使ったんでしょ? そんなの小学生でもできるよ」
顎を上げ、嫌そうに顔をしかめて物体を眺めている。ああ、やってしまった。料理は嫌いなほうじゃない。ただ、コロッケは初めてなだけ。同じじゃがいも料理なら肉じゃがとかカレーとか、ポテトグラタンなら作れるのに。
桐生颯悟の、ふっ、という荒い鼻息が聞こえて。
「こ、コンビニで何か買ってきましょうか」
「いいよ。下に降りるの大変だし」
桐生颯悟はカウンターのスツールに座ると、スプーンを握った。
「ソースは? 冷蔵庫に入ってるよね?」
「あ、はい。でも」
「食べるから。早くして」