颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
それにこの部屋、広い。無駄に広い。20畳はあろうかのスペース。寝室なのかベッドがふたつ並んでいる。ゲストルーム、と言ったところか。
壁はパステルオレンジ、イエローのベッドスプレッド、ソファ。木目美しい猫足チェストとお揃いのドレッサー。リビングが北欧風ならこちらは南欧風。モデルルームみたいな部屋。
パチン。天井からつり下がるチューリップ型のライトが点灯した。
「ぼーっとしてないでコロッケ作って。今日はちゃんと形にして」
「はいはい。わかりました」
*―*―*
果たして、1時間後。
「なんなの、キミ」
「えっと、なんて言いますか、形にはなったかと」
「そうだね。昨日よりはましだけど、コロッケって小判形がデフォじゃないの? なのに三角とか四角とか。これは五角錐? しかも焦げてるし、隕石?」
カウンターに置いた大皿の上には個性豊かなコロッケが並んでいる。形も大きさも。
「どうしたらこんないびつなものが作れるわけ?」
「さあ。私にも……」
「早くキミも食べなよ。食べ終えたら連れてってあげる。最上階のバーに」
「え?」
「3つ上階なだけだから景色は変わんないけど。イヤならオレひとりで」
「行きます行きます行きますっ!」
*―*―*