颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
台風のように現れて台風のように去っていく祐理恵さんを、お客さんたちはびっくりした顔で、スタッフはあきれ顔で見送っている。
「いったいなんだったんですか、祐理恵さん」
「会いたい会いたいってしつこくメールが来たから、ここの場所を教えただけだけど?」
にこにこだった桐生颯悟の顔はしかめっ面にもどった。
祐理恵さんに見せつけるために私におしゃれをさせてバーに連れてきた、と私は理解した。浮かれていただけに落胆も半端ない。もしかしたら桐生颯悟は私のことを好きになりかけているのかも、と期待したのに。ある訳ないか、そんなこと。
しかし、祐理恵さんもすごい。あれ、ここに来たってことは。
「大丈夫なんですか?」
「祐理恵さん? エキセントリックなのはいつものことだから」
「そうじゃなくて、ここに来れるってことはマンションに住んでるんでしょう?」
「住んでないよ。祐理恵さんの父親がこのマンションのオーナーなんだ。だからマンション内はすべて顔パス。でも安心して。オレの部屋までは勝手に入ってこないから」
三角のカクテルグラスに注がれたグリーンを帯びた白濁の液体を桐生颯悟は口を付ける。なにをしても様になる。こちらを向いた瞬間、その見惚れた顔が鼻を鳴らした。
「いったいなんだったんですか、祐理恵さん」
「会いたい会いたいってしつこくメールが来たから、ここの場所を教えただけだけど?」
にこにこだった桐生颯悟の顔はしかめっ面にもどった。
祐理恵さんに見せつけるために私におしゃれをさせてバーに連れてきた、と私は理解した。浮かれていただけに落胆も半端ない。もしかしたら桐生颯悟は私のことを好きになりかけているのかも、と期待したのに。ある訳ないか、そんなこと。
しかし、祐理恵さんもすごい。あれ、ここに来たってことは。
「大丈夫なんですか?」
「祐理恵さん? エキセントリックなのはいつものことだから」
「そうじゃなくて、ここに来れるってことはマンションに住んでるんでしょう?」
「住んでないよ。祐理恵さんの父親がこのマンションのオーナーなんだ。だからマンション内はすべて顔パス。でも安心して。オレの部屋までは勝手に入ってこないから」
三角のカクテルグラスに注がれたグリーンを帯びた白濁の液体を桐生颯悟は口を付ける。なにをしても様になる。こちらを向いた瞬間、その見惚れた顔が鼻を鳴らした。