きっと、君だけ。
「ご、ごめん。俺のせい?」
「当たり前だよ!」
「いやだって俺、落ちてくるとか知らなかったし。てかさ」
「……わっ」
飛び退いた私の体を再び引き寄せようと、彼は私の手を握る。
〝男の人〟の力が、いとも容易く私を引き寄せた。
「俺なんか助けなくてもいいのに、勝手に助けたのは藤咲さんじゃん?」
「……っ!」
「なのに俺が悪いの? ねえ?」
「……や」
「そういうのズルい」
顔を近づけて、彼は言う。
甘い吐息混じりの声が耳元で囁かれ、くせっ毛の髪の毛が私の頬に触れる。
そのどちらもがくすぐったくて、思わずギュッと目を閉じた。