きっと、君だけ。
「やった、特等席ゲット」
「!!」
そっぽを向いてしまった私は、油断していた。
まさか尾崎くんが、私の後ろ髪に触れてくるとは思ってなかった。
「……髪、超サラサラ」
「…………」
「いい匂いする」
ま、またすぐ触って……。
こんなことを平気でできる尾崎くんの気がしれない。
きっと大都会で、たくさんの女の子に触れて来たんだろう。慣れてるんだ。
私はこんなに、いっぱいいっぱいなのに。
「尾崎くん、離して」
「あと5分……」
「いや、300秒も無理だから」
「計算早いね。すごいなぁ」
「話逸らしても無駄だよ、離して」
「じゃあ、藤咲さんの連絡先教えて」
……ん?