きっと、君だけ。
今、突拍子もなく連絡先を聞かれた?
「じゃあ」って接続詞のあとに、めっちゃ話変えられた?
尾崎くんが既に私から手を離していたのがわかったから、私はくるりと方向転換し、尾崎くんと向き合った。
「離してあげたから教えてね。ケータイ番号とアドレスとライン」
なんと、トリプルできた。
しかも彼はいつものように満面の笑みだ。
「や、ちょっと待って」
「待たない。早くスマホ貸して」
「待って」
「待たない」
「ちょ、人の話……!」
「早く貸して。ね?」
微笑みながら手を差し出す尾崎くんに、私は今更気づいたことがあった。
この人……雰囲気で誤魔化されていたけど、めちゃくちゃ頑固で強引だ……!!