きっと、君だけ。
そっと、尾崎くんの吐息が耳にかかり、そこから私の全身は一気に熱くなった。
「好き」
「や……」
「好ーき」
「やだ……」
「すげー好き」
愛の言葉ともいえる単語を、そんなにやすやすと何度も口にしてしまえば、ひとつの言葉の意味に重みがなくなる。
そう思うのに、なぜか尾崎くんが紡ぎ出す言葉はどれも胸に響いて、ドキドキと心臓を騒がせた。
「じゅ、十分伝わったから!もう離れて!!」
「ほんとに伝わった?」
「聞き飽きるほど伝わった!!」
「でもたぶん、藤咲さんが思ってる10倍は、俺、藤咲さんのこと好きだよ」
「……っ!」
まだ懲りずに、甘い声で私に愛の言葉を囁く尾崎くん。
気持ちを伝えれたからなのか、心なしか満足そうな表情をしている。