最恐ドクターの手懐けかた II





その病室の中から、静かな声が聞こえる。




「遠藤先生……ごめんなさい」




その声は、消え入りそうに弱かった。




「こんなことになってしまって……」






わずかに開いた隙間から、病室の中を見る。

すると、ベッドに横たわった冴木さんが見え、その横に遠藤先生の背中が見えた。

いつもはすくっと聳え立つその背中が、なんだか酷く小さい。




「ごめんなさい……無理しすぎて。

こんなんじゃ……えっちも出来ない」





冴木さんは恥ずかしそうに頰を染める。

そんな冴木さんが可愛いなんて思ってしまった。

しっかり者で優しい冴木さん、大好きな人の前ではこんな顔もするんだ。


< 207 / 406 >

この作品をシェア

pagetop