最恐ドクターの手懐けかた II
その病室の中から、静かな声が聞こえる。
「遠藤先生……ごめんなさい」
その声は、消え入りそうに弱かった。
「こんなことになってしまって……」
わずかに開いた隙間から、病室の中を見る。
すると、ベッドに横たわった冴木さんが見え、その横に遠藤先生の背中が見えた。
いつもはすくっと聳え立つその背中が、なんだか酷く小さい。
「ごめんなさい……無理しすぎて。
こんなんじゃ……えっちも出来ない」
冴木さんは恥ずかしそうに頰を染める。
そんな冴木さんが可愛いなんて思ってしまった。
しっかり者で優しい冴木さん、大好きな人の前ではこんな顔もするんだ。