最恐ドクターの手懐けかた II
そんな遠藤先生に、怒り心頭の私は聞いていた。
「なにがごめんなの?」
きっと、遠藤先生は分かっていない。
桃尻先生の暴挙だって、行き過ぎたからムカついただけだろう。
それなのに、
「俺がお前を守らなきゃいけねぇのに……
俺は自分の身を守っていた」
ぽつりと吐き出した。
「あの女がマタハラって騒いだり、お前に八つ当たりしたりしていたことは知っていた」
「知っていたんだ。
それで知らん顔していたんだ」
あー、やっぱりこの人は最低男だ。
色気のない妻よりも、色気ムンムンの女医が好きなんだ。
ため息が出た。