ホワイトデーにおくるのは。
「甘奈、とろとろになってきた」
「あぁ、じゃあ、できるだけ空気入れないように混ぜて」
まだ要求することがあるのか。
いったいいつまでこの、なんの変哲もない作業と音に身を委ねなきゃならないんだ……。
指示通りに混ぜていると、とろみが増していき、混ぜにくくなった。
少し泡立て器にくっついているし、ここまで来ると、なんとなく見たことがある感じがする。
「甘奈、こんなもん?」
「ん? あぁ、オッケー、オッケー。大分時間かかったね」
「え?」
気がついたら、やり始めて一時間になりそうなくらいだった。
まさか、甘奈はこれより短い時間でできあがったのか。
恐るべし、甘奈。
「じゃあ、次ね」
甘奈はそう言って、俺が混ぜていた生クリームに、溶かしたチョコを流し込んだ。
さっきの作業はこれか。
「もしかして、まだ混ぜるの?」
「そうよ」
既に腕がつらい。
淡々と言い放つ甘奈の言葉がにわかに信じがたかった。
「ムラがないようにしてよね」
「あ……、ああ」
変な笑いを浮かべながら、わかったような、わかってないような、曖昧な返事をした。
再び泡立て器を握る手に力を込め、単純なぐるぐる作業を繰り返す。
ほんと気が狂って、目が回りそう。
真っ白な生クリームが、どんどんチョコの色と混ざっていく様子は、まるで自分の心を写しているみたいに見える。
最初は甘奈に喜んでもらいたい一心だったが、こんなにも滅入りそうになっている。
とはいえ、生クリームを作るよりは簡単ではある。
目に見えて変化がわかるし、すべて混ぜるのもすぐに終えた。
「あぁ、じゃあ、できるだけ空気入れないように混ぜて」
まだ要求することがあるのか。
いったいいつまでこの、なんの変哲もない作業と音に身を委ねなきゃならないんだ……。
指示通りに混ぜていると、とろみが増していき、混ぜにくくなった。
少し泡立て器にくっついているし、ここまで来ると、なんとなく見たことがある感じがする。
「甘奈、こんなもん?」
「ん? あぁ、オッケー、オッケー。大分時間かかったね」
「え?」
気がついたら、やり始めて一時間になりそうなくらいだった。
まさか、甘奈はこれより短い時間でできあがったのか。
恐るべし、甘奈。
「じゃあ、次ね」
甘奈はそう言って、俺が混ぜていた生クリームに、溶かしたチョコを流し込んだ。
さっきの作業はこれか。
「もしかして、まだ混ぜるの?」
「そうよ」
既に腕がつらい。
淡々と言い放つ甘奈の言葉がにわかに信じがたかった。
「ムラがないようにしてよね」
「あ……、ああ」
変な笑いを浮かべながら、わかったような、わかってないような、曖昧な返事をした。
再び泡立て器を握る手に力を込め、単純なぐるぐる作業を繰り返す。
ほんと気が狂って、目が回りそう。
真っ白な生クリームが、どんどんチョコの色と混ざっていく様子は、まるで自分の心を写しているみたいに見える。
最初は甘奈に喜んでもらいたい一心だったが、こんなにも滅入りそうになっている。
とはいえ、生クリームを作るよりは簡単ではある。
目に見えて変化がわかるし、すべて混ぜるのもすぐに終えた。