ホワイトデーにおくるのは。
「できたぞ、甘奈」
「はいはーい、じゃあ次ね」
「え?」
次とはなんぞや、と考えている内に、またもや甘奈は得体の知れない液体をボールに流し込んだ。
「これは?」
「え? 説明必要?」
「頼む」
「一応言うと、卵と薄力小麦粉と塩少々。まぁ、わかったところで変わらないわ。さ、混ぜて」
甘奈が容赦ない鬼に見えてきた。
鬼に金棒なら、甘奈に泡立て器か。
余計なことを考えて、現実逃避にひたった。
「早く混ぜて、固まっちゃうわよ」
「はい」
どれだけこの作業を眺めているのだろう。
ただ次の行程はなにをするかなどは、俺はなに一つとして考えていない。
甘奈はすごい。
本当なら、もっと調理行程を確かめながらやらないといけないところを、ここまでポンポンと指示を出してくれるんだから。
これを一人でやって、あのチョコをここまでの時間と手間を割いて作ったのか。
混ぜる作業に、なぜか心の内もなにかが混ざるような気がする。
尊敬なのか、愛着なのか、それともなにともつかない感情なのか、わからないけど、なぜか温かさを感じる。
ようやく混ぜ上がった。達成感がはんぱない。
女子力なんて言葉では片付けられない。
持久力が必要な作業行程だった。
「お疲れ様。じゃあ、このパウンド型に流し込んで。少し高いところからね、そのほうが空気が入らないから」
甘奈が差し出したのは、上の面だけない、長方形のステンレスの箱みたいなものだった。
説明から察するに、これがパウンド型のようだ。
クッキングシートだと思うが、内側に紙が敷かれていて、どうやらこの上に流し込むようだ。
パウンド型に流し込んだその様は、チョコのプールができたみたいに、並々に入った。
「はいはーい、じゃあ次ね」
「え?」
次とはなんぞや、と考えている内に、またもや甘奈は得体の知れない液体をボールに流し込んだ。
「これは?」
「え? 説明必要?」
「頼む」
「一応言うと、卵と薄力小麦粉と塩少々。まぁ、わかったところで変わらないわ。さ、混ぜて」
甘奈が容赦ない鬼に見えてきた。
鬼に金棒なら、甘奈に泡立て器か。
余計なことを考えて、現実逃避にひたった。
「早く混ぜて、固まっちゃうわよ」
「はい」
どれだけこの作業を眺めているのだろう。
ただ次の行程はなにをするかなどは、俺はなに一つとして考えていない。
甘奈はすごい。
本当なら、もっと調理行程を確かめながらやらないといけないところを、ここまでポンポンと指示を出してくれるんだから。
これを一人でやって、あのチョコをここまでの時間と手間を割いて作ったのか。
混ぜる作業に、なぜか心の内もなにかが混ざるような気がする。
尊敬なのか、愛着なのか、それともなにともつかない感情なのか、わからないけど、なぜか温かさを感じる。
ようやく混ぜ上がった。達成感がはんぱない。
女子力なんて言葉では片付けられない。
持久力が必要な作業行程だった。
「お疲れ様。じゃあ、このパウンド型に流し込んで。少し高いところからね、そのほうが空気が入らないから」
甘奈が差し出したのは、上の面だけない、長方形のステンレスの箱みたいなものだった。
説明から察するに、これがパウンド型のようだ。
クッキングシートだと思うが、内側に紙が敷かれていて、どうやらこの上に流し込むようだ。
パウンド型に流し込んだその様は、チョコのプールができたみたいに、並々に入った。