ホワイトデーにおくるのは。
いよいよホワイトデーになった。

放課後になるまで直也と渉に、『この野郎』『憎いねー』と散々からかわれた。

今日は、昨日のチョコ作りの話で持ちきりだった。

甘奈の教室に行くと、川野さんと二人で話していた。


「あら、だんなのお出ましね」

「ちょっと! だんなじゃないわよ」


くすくす笑う川野さんに、甘奈は頬を膨らませていて、いつもより幼く見える。。

普段、やたらお姉さんっぽさがあるだけに、このギャップはかわいい。


「こんにちは、川野さん」

「どうもー。あんた、なかなか見所あるじゃない」


川野さんの肘でつついてくる行為に、心がくすぐったい感じになる。


「あはは、どうも」

「あー! なに照れてるの! もう! ほら! 行くよ!」


変な照れ笑いをしていると、甘奈が頬を膨らませて、俺の手をつかんで先導する。


「お、おう」


手を引かれて、体ごと引っ張られる。

確かに強気なところはあるけど、ここまで強引なのは初めてだな。

俺、なにかしたのか。ちょっと痛い。


「じゃあねー」


川野さんの遠のいていく声に、後ろを振り返ると、とてもいい顔をしていた。

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