ホワイトデーにおくるのは。
階段まで来ると、甘奈はようやく手を離してくれた。


「痛いよ、甘奈」

「ふん。知らない」


なんか怒っている。

なんで怒っているんだろう。女心はわからん。

一緒に歩いて甘奈の家に着き、昨日と同じように、手洗いを済ませ、甘奈はエプロンをまとう。

やっぱり似合う。


「それではお披露目です」


そう言って甘奈は冷蔵庫の取っ手に手をかける。


「じゃーん」


中から出てきたのは、昨日作ったガトーショコラ。

空気が抜け、膨らみが消えて少し窪みがある形になっていて、色はチョコの暗い色合いが濃くなっていた。

おいしそう。よだれが出てきた。

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