紅色に染まる
階段を登る途中。


ハルは私に話しかけてくる。


「なぁ。なんでお前みたいなやつがこんな所に来たんだ?こんな所に来たら死ぬだけだろ。」


私はその言葉に首を傾げる。


「わからない…気づいたらここにいた。」


「…そうかよ。お前が言う言葉は全部嘘には聞こえねぇな。」


「…ハルはなんでこんな所に来たの?」


「…俺か?俺は…自分の欲の為に来たんだよ。」


ハルはそれだけ言って階段を登りきる。


「お前みたいに純粋なやつは知らなくていいんだよ。」


そう言って悲しい顔をしたハルは次のフロアのドアを開けて進んだ。
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