紅色に染まる
俺は腹部を抱えて咳き込む。


受け身を取ることもできねえしただひたすら耐えるしかなかった。































__……どれくらいたったんだ…?


部屋にはもう誰もいない。


床には俺の血だと思える紅い液体。


あー…体痛てぇ。


声を出そうにも口の端が切れてて痛てぇし体は動かねぇしで散々だ。


でも俺の隣にはあいつがいつも使っていたナイフがあった。


ははっ。まだサビひとつついてねぇ。


流石に何年も使ってりゃ錆びるか。


落ちていたナイフを手足を繋げている鎖に何度も何度も突きつける。


やっぱり硬ぇ!


何度も突きつけてるうちに少しづつ鎖の形が変形してくる。


もう少しなんだろう。
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