僕と、野獣系の彼女
ヤンキーが離したリンの腕を

今度は、僕がつかみ、ひきづるように引っ張る

「う、うんっ!」

僕たちは、ヤンキーたちの呆気にとられたような表情を一瞥することもなく

一陣の風のように

かまいたちのように

走り抜ける

そして…

走る!走る!

いや、逃げる!脱兎のごとく!

公園を抜け、夜の街の中をさ迷い

ヤンキーたちが追ってこないか

後ろを振り向く勇気もなく、またそんな余裕もなく

足がもつれてきた

日頃の運動不足が祟って

速度が落ちてくる

「アツヤッ!早くっ!」

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