僕と、野獣系の彼女
初めは、僕がリンの腕をつかんでいたのに

気がつけば、リンが、僕の腕をつかんでいる

リンに引っ張られている

いや、引きづられている、と行った方が正しい

……気がつけば、リンの家の前

二人で膝をついて、しばらく荒い息をついている

少し呼吸が整ってきた

僕もリンも、全身汗びっしょりだ

周りを見渡す。僕たちの他に、誰もいない

何とか、ヤンキーたちから、逃げおおせたようだ

はあ、はあ、良かった

ふうふう、ふうふう

ふうふう、ふうふう

「あっはははははーっ!」

…誰だ、こんな時にケタケタ笑って

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