戦闘学園〜特別魔導師養成学校〜




だだっ広い会場。


さすが超お金持ちのエリート校だけある。


多分ここは体育館だと思うけれど、そんな雰囲気を全く感じさせないくらいの豪華さ。


大きなシャンデリアがいくつもついていて、床には真っ赤なカーペット。


窓は色とりどりのステンドグラス。



まるでお城を連想させる風景。




でもみんなはそれが普通らしく、物珍しそうにキョロキョロしているのはあたしくらいだ。


心なしか、身につけている小物も高そうに見える。


やっぱりここ、お坊ちゃまとかお嬢様とかしか通えない学校だよね?


あたし、もしかして場違い...?




『...皆さん、入学おめでとう』




マイクを通して、低く、よく通る声が会場に響く。


前を見ると、白髪の混じったおじさんが壇上で挨拶をしていた。


多分...この学校の校長先生?


ということは、あたしの恩人!!


ちゃんと話を聞かなきゃ!!




『少数精鋭の優秀な者のみが入学を許されるこの特別魔導師養成学校に、君たちは合格した。喜ばしいことだ』




...あたしはお父さんのゴリ押しで入れてもらったんだけどね!


普通に試験を受けて入学した人たちは、本当にすごいと思う。




『さて、本題に移るが、この学校はその名の通り、特別魔導師を養成するところだ。普通の魔導師とは違い、特別魔導師はいつでも強力な魔法を使えなければならない。ここではその訓練を行う』




この国に存在する2種類の魔導師。


それが、普通魔導師と特別魔導師だ。


魔導師には役所の仕事、治安を守る仕事、先生としての仕事など、たくさんの種類がある。


普通魔導師がそういった〝普通〟の仕事をするのに対して、特別魔導師は〝特別〟なことをする。


主に、危険生物の駆除、未知生物の探査など。


この世界にはドラゴンや人喰い人魚といった危険な怪物のほか、まだまだ未知の生物もたくさんいる。


それに魔法を悪用してこの国の王様を狙う奴らもいる。



それに対応するのが特別魔導師。



常に死と隣り合わせで平和のために戦う、みんなの憧れだ。



あたしは魔法が使えないからそっちにはなれないけど、作戦をを立てる方のプレーンで活躍したいと思っている。



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