絆創膏
店長は直ぐにスタッフルームに入っていってしまった。


姿を見れたのはほんの一瞬だったが、その時がしばらく止まったままのように感じた。



「いやーそれにしても驚いたよ。
何に驚いたって、あの店長が絆創膏を持ち歩くって…」

何を驚くことがあるのか。
普段のあの人のことをもっと知りたい。

「ねえ、店長さんについて知ってること全部教えてよ」

「なに、もしかしてと思ってたけどその紅い顔。
店長に惚れてんの?」


「…うん」


嘘をつくことには慣れてない。
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