題名のない恋物語



ここ出るか。でも外に出てもあるのは海ぐらいだし、それはさすがに雰囲気作りすぎ?


でも落ち着いて話せるっちゃ話せる。


映画でも海は出てきたし、余韻に浸るにはいいかもしれない。今日はわりと暑かったけど、今の時間帯なら夜風が気持ちいいだろう。


なんとなくツイッターを見ていると、理紗が戻ってきた。まだ目は赤いが、だいぶスッキリしたらしい。





「お待たせした」

「ん。理紗さ、この後どうする?解散する?それとも適当に時間潰して飯食い行く?」



わざと解散という言葉を使うと、理紗は一瞬だけ表情が曇った。



「あー…私は帰り何時でも大丈夫だけど、涼が帰りたければ全然」

「俺はまだ帰りたくないけど」

「じゃあ、あの、どこか行こっか」

「ん」



小さく照れる理紗に、帰りたいと言われなくてよかったと安堵する。




「ゲーセンとかでもいいし、余韻に浸りたいなら海でも行く?」

「あ、海、いいね行きたい」

「了解」




明るく笑う理紗の手を握って、下へ降りる。海に行くには一度ショッピングモールから出て、そのまま南へ進めばいい。


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