題名のない恋物語
「理紗」
「わ、むり、むり顔近いバカ」
「好き」
ぎゅ、と力強く目を瞑る理紗にそう囁いて、うつむく彼女の額に唇を寄せた。
そっと手を離すと、理紗は額に手を当ててから先ほどの俺のように背中から倒れた。
「…やだもう…涼慣れててやだ……」
「んな慣れてねーよ」
「うう、ちゅーした…」
「おでこじゃん」
「このヘンタイ、バカあ、すけべぇー…」
はいはい、と言いながら理紗の横に俺も寝転がる。体をそちらに向けて、もう一度理紗の名前を呼ぶ。