題名のない恋物語




「理紗」

「わ、むり、むり顔近いバカ」

「好き」






ぎゅ、と力強く目を瞑る理紗にそう囁いて、うつむく彼女の額に唇を寄せた。


そっと手を離すと、理紗は額に手を当ててから先ほどの俺のように背中から倒れた。






「…やだもう…涼慣れててやだ……」

「んな慣れてねーよ」

「うう、ちゅーした…」

「おでこじゃん」

「このヘンタイ、バカあ、すけべぇー…」






はいはい、と言いながら理紗の横に俺も寝転がる。体をそちらに向けて、もう一度理紗の名前を呼ぶ。


< 58 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop