春恋



「弥?なんかぼーっとしてる?」

「あ、ううん、ごめんごめん。」


帰り道、なんだか気持ちが落ち着かない。


あれはお化けじゃない、人間だと思う。

なんだか不思議なくらい、耳にすっと入ってくる、心地いい声だった。



家についてからも、お風呂に入ってからも、もちろんベッドに寝っ転がった今でも。

いたずらっ子のような、楽しんでるようなあの声が離れない。


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