アラシとナギのパンケーキ
「ささ、できましたよ」


アラシとナギが運んできた皿には、きつね色に焼けたパンケーキが何枚も重なっていました。塔のように高く、とてもふんわり。
アラシはラクダと姫君のそばにメープルシロップやバター、ホイップクリーム、フルーツソースにチョコレートソースを並べていきます。


「お好きなものをどうぞ。でも、その前になにもつけずに召し上がれ」


パンケーキの匂いに、姫君がうっとり。


「ふうん、星のまたたく音より美味しいとは思えないけど」


「姫君も食べてみたいとおっしゃっておいでです」


そこで、ナギが姫君の口のサイズに合わせてパンケーキをカットしてあげました。
そして一斉にぱくっと頬張ります。


「まぁ!」


姫君が歓声をあげ、くるっと宙返りしました。


「悪くないわ!」


「美味しいとおっしゃっておいでです」


姫君とラクダは二口目をぱくり。


「あぁ!」


姫君はぶるぶるっと尾びれを震わせます。


「砂漠みたい!」


「本当だ、砂漠だ!」


姫君とラクダは声をそろえて叫びました。
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