Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
「...何してんだ?」
そんな声がして、伏せていた顔を上げる。
太陽に照らされて煌めくその赤い髪が、すごく眩しく見えた。
その隣には、少し小さな影がある。
...クリスマスカラーだな、と思った。
「咲誇ちゃん、どうしたの?帰るの?」
「...うん。ちょっと体調悪くて」
真浩の顔を見ないようにして、2人の間を駆け抜けようとした。
でも、左腕を誰かに掴まれる。
犯人は歩だった。
眉をひそめながら、私の顔を見ている。
「...何があったんだよ、アンタ」
「別にっ...何も無いけど?」
「何で泣いてんだって聞いてんだよ。
そんな腫れた目して、嘘つくな」
「っ...、やめて!!ほっといてよ!!」
「は?おい、待てっ...!!」
歩の手を振り払って、逃げた。
2人の声だけが追ってきたけど、そんなこと気にしてられなくて。
...限界、だった。
本当は泣きたくてたまらなかった。
私の中で黒いものばかりが渦巻いて、何もかもが嫌になって、涙がこぼれた。
気付かれたくなかった...。