Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
──...走って、走って、走って。
どこかも分からない公園に駆け込んだ私は、疲れきって冷たいベンチに座り込んだ。
心の栓が抜けたように、涙が溢れ出す。
「っ...うぅっ...」
どんなに我慢して、唇を噛み締めても。
涙は止まることを知らない。
私の頬を伝って落ちたそれは、黒いアスファルトをさらに黒く染めていく。
...もっと染まれ、と思った。
ついでに私の心も染めてほしい。
これ以上ないってくらい、真っ黒に。
そうすれば、こんな一時の辛さなんてすぐに乗り越えられる。
何も感じない身体になっちゃえ...。
...お前はいらない子だ。
母が事故で死んだ後、父にそう言われた。
そのときは悲しくて悔しくて、そんなの違うってことを証明してやりたかった。
だから【桜蘭】に入って、その後、告白してくれた翠斗と付き合った。
彼らは私を必要としてくれている。
そう信じたかった。
...でも、違うね。
正しかったのはアンタだね、お父さん。
私なんて...しょせん、イラナイ子。