Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉




◇◇




...いつの間にか、寝ちゃっていたらしい。


辺りの騒がしさで目を覚ました。




「...なぁ、早くやっちゃおうぜ」


「人が来たら困るもんなー」




...誰?


薄く目を開くと、たくさんの男らしき影が目に入った。


そのうちの一人と目が合う。


知らない、男...。


そいつは私を見て、ニヤリと笑った。




「おい、女が目覚ましたぞ」


「げ、マジ?ならさっさと済ませるか」


「りょうかーい」




口を大きな手で塞がれる。


まずい、と危険を感じたときにはもう遅くて。


振り回そうとした両手足は、四人がかりでベンチの上に押さえつけられた。


...さすがの私も、体格の良い男たちに全体重で押さえ込まれれば、動けない。



空はもう薄暗くて、ずいぶんと長い間寝ていたことを物語っていた。


この暗さだと、通行人に見つけてもらうのは困難だ。



< 163 / 228 >

この作品をシェア

pagetop