Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
◇◇
...いつの間にか、寝ちゃっていたらしい。
辺りの騒がしさで目を覚ました。
「...なぁ、早くやっちゃおうぜ」
「人が来たら困るもんなー」
...誰?
薄く目を開くと、たくさんの男らしき影が目に入った。
そのうちの一人と目が合う。
知らない、男...。
そいつは私を見て、ニヤリと笑った。
「おい、女が目覚ましたぞ」
「げ、マジ?ならさっさと済ませるか」
「りょうかーい」
口を大きな手で塞がれる。
まずい、と危険を感じたときにはもう遅くて。
振り回そうとした両手足は、四人がかりでベンチの上に押さえつけられた。
...さすがの私も、体格の良い男たちに全体重で押さえ込まれれば、動けない。
空はもう薄暗くて、ずいぶんと長い間寝ていたことを物語っていた。
この暗さだと、通行人に見つけてもらうのは困難だ。