南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )
「まだ少しも書いてないの?礼状は今週中には提出って言ってたよ!早くしないと間に合わないかもね」
「は?今週中?……無理すぎ」
明らかにテンションダダ下がりの瀧が、今電話の向こうでどんな顔してるのか大体想像出来てしまうから面白い。
「楽しかったこととか、勉強になったこととか、素直に書いたらいいんだよ。そんな難しく考えなくても」
「……つっても、話し言葉で書いたらダメなんだろ?俺、手紙とか書いたことねぇし。あー、やってらんねー」
こりゃよっぽど瀧には難しいらしい。
やっぱり瀧は私よりバカだ。私の方が瀧より少しだけ上に立ててる気がして、自然と口角を上げていた私は
「なら、明日 一緒に書こっか。仕方ないから手伝ってあげる」
お姉さん気分でそんなことを提案していた。
「お!まじ!?ラッキー、助かる」
電話の向こう、分かりやすい瀧が喜ぶ声が私の鼓膜を震わせたのとほぼ同時。
───ガチャッ
玄関からドアの開く音が聞こえて、一瞬で私の意識は玄関へと移ってしまった。
不意に掛け時計へと視線を向ければもうすぐ23時になる。瀬那の帰宅に急にドキドキが加速して、私は慌てて玄関へと向かった。