偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

稍は、フィッティングルームのカーテンを引いて中に入ると、ぱっつん前髪のウィッグを取って、「アラレちゃん」を外し、引っ詰め髪をぱさりと下ろした。

全身が映った鏡に顔を寄せ、パウダーを叩きアイラインを入れチークを乗せる。

そして、七分丈のベルスリーブで膝上のブルームスカートになったライラック色のワンピを着て、オフホワイトのプラットホームのヒールを履く。

おもむろに、稍はフィッティングルームのカーテンを引いて開けた。

「おつかれさまで〜す、いかかでし……」

フィッティングルームから出てきた稍を、ショップ店員が二度見した。

「このまま、この服を着たいのでタグを取ってください。今まで着てた服と靴の方を袋に入れてください」

呆然と(たたず)む店員を尻目に「変装」を解いた稍は、こともなげに言った。

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