偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

「……騒ぐな。やかまし。黙れ。
おまえこそアラフォー間近で、あんなしょーもない男に引っかかりやがって婚約破棄したやろが。
確実に処女と(ちゃ)うくせにカマトトぶるな。
……それに」

青山はこれでもかというくらい顔を(しか)めて、稍に対して世にもおぞましいものを見るかような目をした。

「その呼び方、やめろ。虫唾(むしず)が走る」

稍は「婚約破棄」の(くだり)では、とっさに手元に「鈍器」がほしくなった。

だけど、それよりも青山が心底イヤがる顔になったのを見て、突然おもしろくなってきた。

「あらぁ?昔は『さとくん』『ややちゃん』って呼び合う仲やったのになぁ」

「……ブッ殺されたいんか、おまえ」

すでに何人か()ってしまったかのような顔で、青山が凄んだ。

「……あぁっ、あの純真無垢で汚れなき、小学生の『さとくん』はどこへ行ってしまったのっ⁉︎」

もっと「雰囲気」を出すために、稍は「よよっ」と床に突っ伏して嘆こうと思った。

だが、しかし、足の踏み場もないくらい散乱している状態を見て、逆に足を踏ん張った。

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