偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
「あのさぁ、別にあたしやなくてもさぁ。
……麻琴さんに来てもらって片付けたら?」
稍は、麻琴の普段のバリキャリ姿からは考えられない、会社の給湯室でのはしゃいだ様子やスマホから聞こえた甘えた声を思い出した。
たとえ青山がどう思っていようとも、麻琴の方は「セフレ」だとは思っていないような気がしてならない。
「何遍もおんなしこと言わすな。
麻琴とは、お互い割り切った関係や。
あいつの優先順位の筆頭は、おれと同じ『仕事』や……そうは言うても、まぁ、おれも男やからたまに女がほしくなる。あいつもそんな感じやろ?」
……そうかなぁ?
稍は、やっぱり納得できなくて鼻白む。
なんでも「合理的」に物事を捉える青山に「オンナゴコロ」がわかっているとは、到底思えなかったからだ。
「せやから、麻琴の部屋へ行っても泊まったことはない。それに、麻琴どころかどの女も、おれの部屋に連れてきたことはない」
……麻琴さん、こいつに嫌われとうなくて、そんなふうに合わせてるだけとちゃうんかな?
「それに、麻琴にはちゃんと、
『結婚する女がいるから、そいつのためにも、おまえとの今までの不毛な関係はもうやめる』
って言うてきたし」
青山は平然と告げた。