偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

互いのくちびるが離れた。

「……おれの記憶が正しければ、おれらはもう、とっくに三十歳を超えとるよな?」

智史が稍の顔を覗き込むように尋ねる。

……いつの間に、声変わりして、こんな低い声になってしもたん?
いつの間に、見上げるくらい、こんなに高い背ぇになってしもたん?

そんなことを思いながらも、稍がこくん、と肯く。

智史がにやり、と笑った。

「今さら……こんなガキみたいな甘っちょろいキスで止められるか」

そう言って、稍を思い切り抱き寄せた。

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