偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
「ちょ、ちょっと……まっ、待ってよっ」
稍が智史の腕の中でもがく。
「だっ、だって……あたしたち『偽装結婚』とちゃうかったん?」
「『偽装』や言うても、一応『結婚』やからな。一緒に暮らすし。せやから、麻琴を切ってんぞ。
……おれが女をほしなったとき、どうすんねん? おまえが『代わり』を務めるのが筋とちゃうんか?」
稍を抱きしめる智史の腕に力が入る。
「そ…そんなん、知らんし。
じ…自分一人でなんとか処理しぃよっ!」
稍がいくらもがいても、智史はびくともしなかった。
「アホか。この歳になって、そんな中坊みたいなことできるか。薄情な女やな」
智史は、はぁーっと深いため息を吐いたが、決して腕の力は緩めなかった。
「それに、あのオカンのことや。
口だけやのうて、カラダの方もつなげとかんと、本当のことを見破られるかもしれへん」