偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

「ちょ、ちょっと……まっ、待ってよっ」

稍が智史の腕の中でもがく。

「だっ、だって……あたしたち『偽装結婚』とちゃうかったん?」

「『偽装』や言うても、一応『結婚』やからな。一緒に暮らすし。せやから、麻琴を切ってんぞ。
……おれが女をほしなったとき、どうすんねん? おまえが『代わり』を務めるのが筋とちゃうんか?」

稍を抱きしめる智史の腕に力が入る。

「そ…そんなん、知らんし。
じ…自分一人でなんとか処理しぃよっ!」

稍がいくらもがいても、智史はびくともしなかった。

「アホか。この歳になって、そんな中坊みたいなことできるか。薄情な女やな」

智史は、はぁーっと深いため息を吐いたが、決して腕の力は緩めなかった。

「それに、あのオカンのことや。
口だけやのうて、カラダの方もつなげとかんと、本当(ほんま)のことを見破られるかもしれへん」

< 215 / 606 >

この作品をシェア

pagetop