偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

「……あんたら、いい加減にしてくれる?
わたしは『被害者』なんやけど?」

案の定、登茂子はものすごく醒めた表情で、稍と智史を見据えていた。

父子(おやこ)揃って、そういうお顔がお好みなんやってことは、充分わかったわ」

さすが母子(おやこ)だ、と稍は思った。
顔立ちにさほど面影はなくとも、氷点下な口調が智史にそっくりだったからだ。

……あぁ、お姑さんになってほしくない人ナンバーワンかもしれない。

稍は心底ビビって、ぶるっと震えた。
すると、すかさず智史が、がっちりと「恋人つなぎ」の刑を再執行し始めた。

たちまち「お義母(かあ)さま」の切れ長の目がブリザードに見舞われる。まるで、雪女だ。

……薮蛇やーんっ。

< 289 / 606 >

この作品をシェア

pagetop