偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
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マンションに帰ってきて、扉を開けた瞬間、稍がほぉーっと、息をつく。

「……疲れたやろ?」

そう言った智史の顔にも、疲れが滲み出ていた。
母親の前で稍に振り撒いていた、やわらかな笑顔は微塵もない。

「うん……疲れた」

稍は気弱に笑った。

華丸のデパ地下で、今夜の食糧を確保してきたから、夕飯の支度に手を抜けるのがせめてもの救いだ。そんなに食欲があるわけではなかったが、さすが「味の華丸」のデパ地下のお惣菜である。稍も智史もしっかりと平らげた。

明日の午前中に収納家具が届く予定なので、また「片付け」が始まる。今度は稍が持ってきた分もある。

今日は疲れたことだし、稍も智史も早々に(もちろん別々に)風呂を済ませて、ベッドに入った。

やっぱり稍は、速攻で子どもの気配を漂わせ眠りについた。

それをまた、隣で顔を(しか)めて苦々しげに見つめていた智史も、いつの間にか(まぶた)が落ちていた。

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