偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
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なんとか神戸へ行く前日までに、片付けは終わった。すべてをやり遂げたとき、稍と智史はハイタッチした。

「祝杯あげようや」

智史が冷蔵庫からアサヒスーパードライを取り出して、数日前からは信じられないくらいキレイになったリビングへ向かう。

「いいねぇ〜♪」

稍が冷蔵庫から取り出したものをレンジでチンする。

風呂も済ませたし(もちろん別々に)、あとは寝るだけだ。どうせ寝顔も見られてるし、智史の前ではすっぴんも気にならなくなった。

アサヒスタイルフリーと一緒に「それ」をリビングへ持って行くと、すでに智史が呑んでいた。

「お酒だけって身体(からだ)に悪いやん」

隣に腰を下ろしながら稍が言うと、

「……おれは夕食のあとは食べへん主義や」

智史はスーパードライをまた、くうーっと呑む。

稍にはそんな主義はないので、心置きなく「それ」を串から「直」に頬張る。

ファミマの炭火焼きとりのもも塩だ。
夕食前、ビールを買いにコンビニに行ったときに、ついでに買っておいたのだ。

……うぅーん、やっぱ、デカくて旨いっ。

稍はスタイルフリーの缶のまま、くぅーっと呑む。喉をしゅわわーーっと、下っていく。
この世の天国、極楽だ。

「……おまえ、それ、えらい旨そうやな」

そう言った智史が、次の瞬間、炭火焼きとりのもも塩をパッと奪った。

「あ…あああぁ……っ⁉︎」

稍はすぐに手を伸ばしたが、もう遅かった。
串の奥に脂身の少ない部分があってたどり着くのを楽しみにしていたのに、今やすでに智史の口の中だ。

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