偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

「もしもし……栞ちゃん?どないしたん?」

なかなか姿を現さない中での、この通話である。事故にでもあったのではないか、と稍は気が気でなかった。

『あ、おねえちゃん……ごめん。そっちには行かれへんようになってしもうてん』

「ええっ、なんでっ? 会いたかったのにぃ」

稍は一旦スマホを離して二人に言った。

「栞、来られへんようになってんてぇ」

残念なあまり、稍の顔が曇る。

「ええっ⁉︎ ウソやろっ⁉︎ なんでやねんっ⁉︎」

一番驚いてがっかりしたのは、智史だった。
稍はムカッ、として智史を鋭く睨んだ。

稍はスマホに戻る。

「栞ちゃん、なんでなん?会うの、楽しみにしてたのにー」

『うん、おねえちゃん、ごめんなぁ。
あの……先生が……その……急な仕事で……離してくれへんくって……』

なにやら、理由はごにょごにょ言っていたが、稍は作家先生との仕事の都合なのだと察した。

……ああいうフリーランスの人って、GWとか関係ないもんなぁ。

稍は妹に同情した。クリエイティブな人をサポートするのは結構たいへんかもしれない。

「わかった、わかった。
……あ、智史……栞と話したい?」

がっかりしている智史に「塩を送る」。

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