偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

「えらい余裕やんか……稍」

目を細めて智史が稍を見る。
その目が飢えた狼のようにギラついている。

稍はふふっ、と笑って、両手を広げて、智史の方へ伸ばした。

「おまえが、あんなアホ野郎に……いや、今までにいろんな男たちに抱かれてきたんかと思うたら……気が狂いそうになる」

……いやいやいや。
それは、お互いさま、なんやけど。

「稍……合意の上の同意でええねんな?」

智史が鋭い目で訊く。

「智くん……『誓いのキス』して?」

稍が智史の首に手を回した。

「まだ『くん』付けなんが、ごっつう腹立つけど……今、理性がブッ壊れた」

そう言って、智史は教会でするような「誓いのキス」とは対極の、稍を(むさぼ)り食べ尽くすようなキスをする。


……もう、流されても、いいや。

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